通して読んでみると別に RDP と仲良くなれてないな。まあいいか。そんなかんじの内容です。
前フリ
掲題のパソコンを友人から購入した。以下で紹介されているものを手頃な金額で譲ってもらえた。
hanjuku-am2.hatenablog.com
とくに目的のない買い物ではあった。悩む理由が金なら買え、という古からの金言に従ったかたちとなる。
手にいれてからしばらく放置していたのだが、宅内サーバ的な用途で動かしたり動かさなかったりしている ThinkPad X61 & X201s をこいつで置き換えてしまおうと思い立ち、いつもどおり Arch をいれて動かせるようにしてみた。
ちなみに後者はこれで入手したものである。もう3年もまえになるのだな……。
で、作業している間にこいつを Blu-ray 再生専用機に仕立て上げ、手元の PC(これも今だにこの X201s。もう6年も前か……)に負荷をかけることなく映画を観ようと思い至った。
xrdp あたりをいれて手元 PC へ RDP で映像と音を飛ばしてもらうおうという魂胆である。
で、やってみたのだが割と苦戦した。DS61 V1.1 の中の SSD が吹き飛んで再びセットアップしなくてはならなくなった時に泣かないよう、今回泣いた内容を記録しておこうと思う。ということで私的な備忘録であり体系立ってはいないメモをかく。
初期設定
Installation guide - ArchWiki に従い素直にやる。
とりあえずちゃんと動くようになったら yay とかをいれて AUR も使えるようにしておく。
sudo の設定をした上で必要そうなグループにもユーザをいれておく:
$ sudo gpasswd -a $USER users
X をうごかす
まずはお約束のやつをいれる:
# pacman -S xorg-server
# pacman -S xf86-video-intel xf86-video-fbdev xf86-video-vesa
/etc/mkinitcpio.conf
の MODULES
に i915
をいれてカーネルイメージを作りなおすやつもやる:
# grep 'MODULES=' /etc/mkinitcpio.conf | grep -v '#'
MODULES=(i915)
# mkinitcpio -P
おわったら再起動をする。
こんかい当初はデスクトップ環境という大物をいれるのはやめて i3 + ly でシンプルにやろうとした。が、挫折した。諦めて馴れ親しんだ KDE をうごかすことにした:
# pacman -S plasma
当初は SDDM もいれたが、xrdp でリモートデスクトップをやる場合はディスプレイマネージャが不要なので SDDM は不要であった。ゆえに消してある。これに気付くまでかなり時間がかかった。
要するに startx
みたいな感じで X が起動されるため .xinitrc
を $HOME
下に置かねばならぬということで以下のようにする:
(注:ここの '#' はプロンプトではなくコメントの意)
# cat ~/.xinitrc
export DESKTOP_SESSION=plasma
exec dbus-run-session startplasma-x11
ディスプレイマネージャは不要ということがわかったので、次回おなじ作業をやるときは i3 でリベンジできるかもしれない。
音
PulseAudio でいいので以下のようにする:
# pacman -S pulseaudio pulseaudio-alsa
一応この時点で必要そうなグループにユーザをいれておく:
$ sudo gpasswd -a $USER audio
xrdp をうごかす
素直に以下のようにする:
$ yay -S xrdp xordxrdp pulseaudio-module-xrdp
今回バックエンドを xorgxrdp にしたので Xrdp - ArchWiki に従い /etc/X11/XWrapper.config
をつくる:
(注:ここの '#' はプロンプトではなくコメントの意)
# cat /etc/X11/Xwrapper.config
allowed_users=anybody
わたしの環境だと xrdp.service
が吊るしのままだとうまく起動しなかった。
どうもネットワーク系サービスの起動中にこいつが起きてしまうせいでコケるようだったので、こいつが依存している xrdp-sesman.service
を network-online.target
の後で起動させるようにしてみた:
(注:ここの '#' はプロンプトではなくコメントの意)
# cat /etc/systemd/system/xrdp-sesman.service.d/override.conf
[Unit]
After=network-online.target
ここまでやったら以下のようにして xrdp が起動してくるようにしてやる:
# systemctl enable xrdp.service
# systemctl enable xrdp-sesman.service
必要そうなグループにユーザをいれるやつもやる:
$ sudo gpasswd -a $USER video
いつも mpv を使用しているのでそんな感じにやる:
$ sudo pacman -S mpv libbluray
$ yay -S makemkv-cli
$ yay -S makemkv-libaacs
makemkv-cli
の作業中に教えてもらえる以下もやる:
# echo sg > /etc/modules-load.d/sg.conf
必要なグループにユーザをいれる。これをしないと RDP セッション内で Blu-ray ドライブにアクセスできなかった:
$ sudo gpasswd -a $USER lp
$ sudo gpasswd -a $USER optical
あとはよしなに mpv の設定をする。個人の好みがあると思われるので内容は省略。
カーネルモジュールを読み込む設定をやっているので作業のキリがよいところでマシンを再起動してやる。
RDP でつなぐ
KDE ユーザなので KRDC で繋ぐようにしてみた。適当に設定をして繋ぐ。ただしSound
は On This Computer
で PulseAudio
を選択してやる必要がある。
xrdp.service
がうごいていれば問題なく接続できるはず。
ただしこれだと pulseaudio-module-xrdp
をいれているにもかかわらず RDP セッション内からサウンドデバイスがみえない。どうしたものか。
RDP セッション内で音を出せるようにする
2日くらい難儀した結果、以下の情報をみつけた:
github.com
これに従い設定をしてみる。まずは以下をやる:
$ systemctl --user mask pulseaudio.service
$ systemctl --user mask pulseaudio.socket
このとき RDP セッション内のターミナルから作業すると Failed to get properties: Process org.freedesktop.systemd1 exited with status
といわれて詰むので SSH などの別セッションから作業するとよい。
次にデスクトップ環境側から PulseAudio を起動させるようにする。KDE の場合は以下のようにする:
- System Settings を開く
Startup and Shutdown
-> Autostart
Add
から Add Application
を選択
/usr/bin/pulseaudio
を実行するよう色々設定する
- 画面内でコマンドを指定する箇所があるので絶対パスを入れてやればよい
Teminal options
はとくにいじらなくてよい
ここまでやって RDP セッションを一度落として(単にログアウトすればよい)再度立ち上げると無事に KMix あたりから xrdp sink
と xrdp source
が見えるようになる。これで RDP を経由して手元の PC から音が出るようになる。
やってみて
X201s に WQHD な解像度に設定したモニタを接続し、全画面で RDP して Blu-ray を再生してみた。
X201s で Blu-ray を再生した場合はほとんど全てのコマが落ちて観れたものではないのだが、RDP 経由だとガクつきがするがまあ我慢すれば観れるかな程度までなんとかなることがわかった。
モニタ解像度を Full HD 程度まで落とせば現実的な快適さで観れるようになるだろう。LAN 的な影響は考慮していない。
リモートデスクトップというものをやってみたい気持ちがずっとあったが、その気持ちをようやく消化できて有意義だった、というところでオチとしておく。
参考