テクニカルプア

備忘録と若干の補足

2022年に GPD Pocket をメインマシンにする為の備忘録

注:後述するように11年前のノート PC で充分な程度の使い方しかしない人間からみた「メインマシン」の記録です。


ということがあり、

となった。Twitter が死んだ時の為にちゃんと言葉にしておくと、

  1. だいぶ前 に入手し それなりに前 に手直しをし使い続けていた ThinkPad X201s が 2100 エラー*1で起動しなくなった
  2. 動態保存してた SSD があったのでそちらを使って再度セットアップすれば X201s は復活する
  3. しかし X201s をふたたび使い続ける状況が突然億劫になった
  4. ずいぶん前 に入手した GPD Pocket を X201s の代わりに使うことにした
    • ちょっと前 に入手した MacBook Pro もあるのだがやっぱり JIS 配列のマシンは常用できずお蔵入りになっている

という次第。

いままで GPD Pocket はオモチャ扱いというか、X201s を持ち歩くのは厳しいがパソコンを使いたくなるような時の供え(例:遠出する時にカバンに忍ばせておく等)といった用途で使用しており、あまり長時間酷使するといった用途では使っていなかった。

このため

や前述のようなグラフィックスまわりの問題を何度も踏むということがあるという事実を今回初めて知るに至り、中々ストレスフルな時間を過ごす羽目になった。

X201s の起動ディスクが物理的に死んだりそのセットアップが億劫になるということは、GPD Pocket でも同じような状況になり得るということである。その時にまた同じ轍を踏んで更にウンザリすることにならないよう、GPD Pocket をなんとかメインマシンにでっちあげる為にやったことを記録しておく。

普段の使い方

  • USB-A:トラックボール / キーボード / Web カメラ を使う為の USB ハブを繋いでいる
  • USB-C:給電用の USB-A to USB-C ケーブルでほぼ常時 AC アダプタに繋いでいる
  • microHDMI:microHDMI -> HDMI な変換アダプタを噛ませた上で HDMI にて このモニタ を繋いでいる
    • 4K 対応のモニタではあるが使い手の目とモニタの大きさの都合で WQHD 程度に落として使っている

やったこと

セットアップ

Arch Wiki には GPD Pocket - ArchWiki という専用の項目があるが、ここで案内されている独自リポジトリは現在不要。公式リポジトリからふつうにインストールできる ALSALinux カーネルで十分に動作する。

前述の使い方においてはモニタ側のオーディオ関連を HDMI 機器として認識してしまうようだが、この場合 PulseAudio を使う場合に

といった事象を踏む。これには以下で案内されている snd_hdmi_lpe_audio を blacklist にいれる方法が効く。

具体的にはこんなかんじ:

 $ ls -lah /etc/modprobe.d/blacklist-snd-hdmi-lpe-audio.conf 
-rw-r--r-- 1 root 29 Apr 22 01:33 /etc/modprobe.d/blacklist-snd-hdmi-lpe-audio.conf

$ cat /etc/modprobe.d/blacklist-snd-hdmi-lpe-audio.conf 
blacklist snd_hdmi_lpe_audio

グラフィックス

Intel graphics - ArchWiki では xf86-video-intel およびこれを使う X 向け設定は不要な 場合がある という注釈があるが、GPD Pocket においては modesetting ではなく素直に xf86-video-intelを使ったほうが安定している感覚がある(私見であり定量的な評価ではない)。

これに加えて同じ項目の以下をやってあげれば大分安定してきた感がある:

あと一応 Backlight_and_KMS(GPD Pocket な ArchWiki 内の項目にあり)もやっておく。

解決できてない問題

いくつかある:

  • 時々 GPD Pocket 本体側のモニタが突然グリッチした感じになり極彩色になる
    • 放っておくとだいたい直る
  • 内蔵 Wi-Fi チップ + iwd + systemd-networkd で 802.11 ac な 5GHz 帯の Wi-Fi アクセスポイントに接続できない
    • iwctl で見ると SSID が見えないのでアクセスポイントを拾えていない感じがする

ところで

上記の問題以外についてはあまり GPD Pocket を使う上で困ることは無い。少なくともわたしのユースケースにおいては。

X201s で頑張ってきた結果、貧相なコンピューティングしかできなくなっていたという事実を突き付けられた気がした。

*1:起動ディスク検出不可;つまり本体ではなく OS 起動ディスクが死んだというもの。参考