Linuxカーネル3.19.3で"kernel BUG at drivers/gpu/drm/drm_crtc.c:536!"とかいわれて困った場合の解決策
最近になって(記憶が確かでないがLinuxカーネルのバージョンを3.19.3にしてから)、パソコンをシャットダウンしたりリブートしたりすると、画面がブラックアウトし、ウンともスンともいわなくなってしまうという状況がかなりの頻度で発生していた。
journalctl で確認してみると以下のようなログがあった。
Apr 05 01:04:10 Erika kernel: kernel BUG at drivers/gpu/drm/drm_crtc.c:536! Apr 05 01:04:10 Erika kernel: invalid opcode: 0000 [#1] PREEMPT SMP Apr 05 01:04:10 Erika kernel: Modules linked in: nls_iso8859_1 nls_cp437 vfat fat fuse ctr ccm ipt_REJECT nf_reject_ipv4 mousedev xt_tcpudp nf_conntrack_ipv4 nf_defrag_ipv4 xt_conntrack nf_conntrack iptable_filter ip_tables x_tables tp_smapi(O) thinkpad_ec(O) snd_hda_codec_hdmi ext4 snd_hda_codec_conexant msr snd_hda_codec_generic mbcache iTCO_wdt jbd2 iTCO_vendor_support arc4 iwldvm mac80211 coretemp intel_powerclamp crc32_pclmul btusb bluetooth aesni_intel crc16 aes_x86_64 glue_helper lrw gf128mul ablk_helper cryptd iwlwifi cfg80211 psmouse serio_raw i2c_i801 intel_ips thinkpad_acpi nvram lpc_ich mfd_core hwmon led_class rfkill snd_hda_intel thermal tpm_tis battery snd_hda_controller tpm ac snd_hda_codec snd_hwdep evdev snd_pcm acpi_cpufreq snd_timer snd e1000e mei_me soundcore mei shpchp processor ptp pps_core Apr 05 01:04:10 Erika kernel: sch_fq_codel usbip_host usbip_core overlay btrfs xor raid6_pq sd_mod ums_realtek uas usb_storage atkbd libps2 ahci libahci libata xhci_pci crc32c_intel ehci_pci xhci_hcd ehci_hcd scsi_mod usbcore usb_common i8042 serio Apr 05 01:04:10 Erika kernel: CPU: 3 PID: 1 Comm: systemd Tainted: G O 3.19.3-1-ck #1 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: Hardware name: LENOVO 5397FUJ/5397FUJ, BIOS 6QET70WW (1.40 ) 10/11/2012 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: task: ffff880232918000 ti: ffff880232930000 task.ti: ffff880232930000 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: RIP: 0010:[<ffffffff812e94bc>] [<ffffffff812e94bc>] drm_framebuffer_free_bug+0x9/0xb Apr 05 01:04:10 Erika kernel: RSP: 0018:ffff8802329339c8 EFLAGS: 00010246 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: RAX: 0000000000000000 RBX: ffff8802321cd000 RCX: 0000000000000004 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: RDX: 0000000000000000 RSI: 0000000000000002 RDI: ffff880072666848 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: RBP: ffff8802329339c8 R08: ffff880231110000 R09: 0000000000000004 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: R10: 0000000000000002 R11: 0000000000000001 R12: ffff880072666840 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: R13: ffff8802321c6000 R14: ffff8802321c6370 R15: ffff8802321ce800 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: FS: 00007f565e3cf800(0000) GS:ffff88023bd80000(0000) knlGS:0000000000000000 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: CS: 0010 DS: 0000 ES: 0000 CR0: 0000000080050033 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: CR2: 00007f565d326e88 CR3: 000000023125a000 CR4: 00000000000007e0 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: Stack: Apr 05 01:04:10 Erika kernel: ffff8802329339e8 ffffffff812ea7a4 ffff8802321cd000 ffff8800b65b1100 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: ffff880232933a28 ffffffff812dadf7 0000000000000000 ffff8800b65b1100 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: 0000000000000000 ffff8802321c6000 ffff880232933c60 ffff8802321ce800 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: Call Trace: Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff812ea7a4>] drm_plane_force_disable+0xb7/0xbc Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff812dadf7>] restore_fbdev_mode+0x4e/0xd4 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff812dc7a8>] drm_fb_helper_restore_fbdev_mode_unlocked+0x27/0x5e Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff812dc815>] drm_fb_helper_set_par+0x36/0x3a Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff81361f80>] intel_fbdev_set_par+0x1a/0x5d Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff812db4c4>] ? drm_fb_helper_sysrq+0x23/0x23 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff81258a56>] fb_set_var+0x2b3/0x3b4 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff81250387>] fbcon_blank+0x95/0x271 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff811445a1>] ? cdev_put+0x25/0x25 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff812afdb3>] do_unblank_screen+0xeb/0x164 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff812a7e7f>] vt_ioctl+0xc9d/0x11ab Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff812a3399>] ? n_tty_ioctl_helper+0x123/0x132 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff8129de66>] tty_ioctl+0xa22/0xaac Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff8114e046>] ? do_filp_open+0x49/0xad Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff8115021a>] do_vfs_ioctl+0x375/0x43bi Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff81158919>] ? __fget+0x70/0x7b Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff8115033a>] SyS_ioctl+0x5a/0x7f Apr 05 01:04:10 Erika kernel: [<ffffffff814a8309>] system_call_fastpath+0x12/0x17 Apr 05 01:04:10 Erika kernel: Code: bb b8 02 00 00 e8 2b 82 f1 ff 4c 89 ef e8 48 cf 1b 00 4c 89 e7 e8 2b 4f e4 ff 5a 5b 41 5c 41 5d 5d c3 66 66 66 66 90 55 48 89 e5 <0f> 0b 66 66 66 66 90 55 48 89 e5 53 48 89 fb 50 e8 58 e8 ff ff Apr 05 01:04:10 Erika kernel: RIP [<ffffffff812e94bc>] drm_framebuffer_free_bug+0x9/0xb
適当に調べていると Re: Kernel panic every other reboot/poweroff since 3.19.3 ( commit 9a6f5130143 ) -- Linux Intel GFX というページが見つかった。
これは Re: Kernel panic every other reboot/poweroff since 3.19.3 ( commit 9a6f5130143 ) -- Linux Intel GFX で報告されている前述と同様の問題に対する解決策を案内するもので、それは ~airlied/linux - Official DRM kernel tree にあるパッチを drivers/gpu/drm/drm_crtc.c へあてるというものになる。
とりあえず当該パッチを当てたカーネルのコンパイルが今終わったところなのでこれからインストールして再起動させ様子をみることにする(再起動後追記:いい感じになった)。
いろいろやるのが面倒な場合は3.19.4の公開を待つと多分解決する。あるいはArch Linuxが配信するバイナリパッケージのカーネルをしばらく使うというのでもよい。2015年04月05日現在Arch Linuxのバイナリパッケージで提供されるLinuxカーネルは3.19.2であり、上記の問題が発生することは(少なくとも私の環境では今までに)なかった。
pacman 4.2で吐かれるpacaur関連のエラーへの対処法
pacmanのバージョンが4.2になったが、この状態でpacaurを使うと
cower: error while loading shared libraries: libalpm.so.8: cannot open shared object file: No such file or directory
とか
expac: error while loading shared libraries: libalpm.so.8: cannot open shared object file: No such file or directory
というエラーが出て、AURのパッケージに関する操作が出来なくなる。
pacman 4.2に際してpacmanのライブラリ(libalpm)が更新された為、あたらしいlibalpmを使ってcowerもexpacもコンパイルされないといけない様子。
というわけなので、AUR (en) - pacaurやAUR (en) - cowerで触れられているように、pacmanのバージョンを4.2に上げた状態でcowerを再ビルドしてインストールする必要がある。
expacについてもエラーが出る場合も同じくpacmanのバージョンを上げて再ビルドすればよい。cowerとは異なりexpacはextraレポジトリにあるArch公式のパッケージなので、こういうとことかからパッケージ作るのに必要なやつを持ってくる必要がある。
KMSのearly modeでブート時にTuxを鎮座させる
(2015-03-05 追記:以下に示す方法であっても、特に私自身の環境ではTuxが出てこなくなってしまった。原因はいまだわからない)
Linuxカーネルのコンパイルを知って以来、ずっとブートシーケンス中にTuxを鎮座させる事を夢見ていた。Arch Linuxが配布するカーネルではブートロゴが表示される設定になっていないので、Tuxは鎮座しない。
基本的には Gentoo Forums :: View topic - Tux at top of screen during boot? に従えばいいんだけど、KMSを利用する環境でearly modeになっている場合*1、カーネルパラメータをいじくる手間がいらなくなるかわりにもう一手間増えて、グラフィックスに関するドライバをビルトインにしないといけなくなる。つまり、Intel製のグラフィックスの場合、
CONFIG_DRM_I915=y CONFIG_DRM_I915_KMS=y CONFIG_DRM_I915_FBDEV=y
という設定にしなければならない。上のリンクに沿って言えば、
Device Drivers --> Graphics support --> Direct Rendering Manager --> Intel 8xx/9xx/G3x/G4x/HD Graphics
の箇所をモジュール("M")ではなくビルトイン("*")にする必要がある。
理屈
正しい理解をしている確証もなく、一次資料に目を通したわけでもないので参考情報として解釈してほしい。
initramfsとKMS
- Arch Linuxでmkinitcpioはinitramfs(カーネルイメージとかいわれる)を生成するためのスクリプト
- mkinitcpioは /etc/mkinitcpio.conf の内容を読み込む
- KMSがearly modeになっている場合、KMSに必要なモジュールはシステム起動時の早い段階でカーネルに読み込まれる
- 早い段階でモジュールが読み込まれるとはいうものの、その際あるいはその前にドライバが読み込まれるとは限らない
- 実際、ドライバをビルトインにしなかった時はTux鎮座しなかった
- → カーネルにグラフィックスのドライバを組み込んでおけばモジュール読み込み後すぐグラフィックスが利用できる
おまけ
/proc/config.gz をzcatしたやつを晒す。AUR (en) - linux-ckをThinkPad X201sで利用することを前提としている。4000行くらいあって、ページを無駄に重くするだけだと思われるので、晒すとは書いたがリンクを貼るにとどめておくことにする:zcat /proc/config.gz
configの行数がかさむのは修行が足らない証だ。
参考
*1:/etc/mkinitcpio 内の"MODULES"にグラフィック関連のモジュールを加えている場合が該当する。MODULES=i915 みたいな記述があるなど。
ThinkPad X201s買った
物欲が爆発して頭が真っ白になり、気がついたら注文を完了していた。送料込54000円也。型番は5397-FUJ。
程度の良いX201(s)が2万円代で手に入る未来をずっと待っていたけれど、ThinkPadの凋落が悲鳴に近い形で叫ばれ始めたときにそんな未来は来ないだろうと見通しを立てるべきだったと思った。
これで当分物欲に苦しめられることはなくなるだろう。
Qtでの動作を念頭に置いて設定等をしたFcitxがGTK+なアプリ上で動かなくて困った時に確認すると嬉しいかもしれない事項一覧
いろいろあってTox*1シンパになった。
しかし困ったことに、慣れ親しんだuimはToxのQtフロントエンドであるqTox*2で必要となるQt5に公式には対応しておらず、結果日本語が使用できない。
githubにあるuimのレポジトリなどから入手できる最新の不安定版では一応Qt5に対応しているようだが*3、それを使うとqToxがSegmentation Faultという断末魔を上げて死んでしまう*4。日本語話者なのでToxでも日本語を使いたくて困っていたけれど、これまたいろいろあってuimをやめてQt5に対応済みのFcitxに移行すれば良いのだと気がついた。
ここでタイトルの登場となる。つまりはそうなったのだ。
前提
Qtでの動作を念頭に置いて
というのはつまりFcitxを導入するときに以下のようにインストールした場合という意味:
$ sudo pacman -S fcitx-im fcitx-im-qt5 kcm-fcitx kdeplasma-addons-applets-kimpanel
その他Fcitxのインストールや設定に関する情報は全てFcitx (日本語) - ArchWikiを参照した。
確認事項
プロファイル系の設定ファイル
.xprofileとか.xinitrcとかを意味する。ここに追記するFcitxに関しての内容が
export GTK_IM_MODULE="fcitx" export QT_IM_MODULE="fcitx" export XMODIFIERS="@im=fcitx"
となっているかをみる。以上の内容で駄目な場合は一行加わって
export GTK_IM_MODULE="fcitx" export QT_IM_MODULE="fcitx" export XMODIFIERS="@im=fcitx" export DefaultIMModule="fcitx"
となることもある。
ロケール
LC_CTYPEが"ja_JP.UTF-8"ではない場合、GTK+なアプリでIMEが有効にならない場合がある。
ArchWikiによれば(GTK+アプリではないものの)これはEmacsのバグでEmacs上で生じるみたいなことが書いてあった。だがGTK+を使用しているはずのChromiumやmikutter上でもIMEが有効にならないことがあった。
これについては/etc/locale.confや${HOME}/.xinitrcなどの適当な設定ファイルへ
export LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8"
と書けばよい。
GTK IM Module
GTK+のIM関連の設定を更新するといい感じになることがある。これは以下のようにする。
# gtk-query-immodules-{x}.0 --update-cache
{x}は2か3で置き換える。GTK+ 2系を対象にする場合は"2"で、GTK+ 3系を対象にする場合は"3"でそれぞれ置き換えて実行する。
詳細はFcitx (日本語) - ArchWikiを参照。
GTK+の外観設定ファイル
.gtkrc-2.0や.gtkrc-2.0-kde4のようなファイルがホームディレクトリ直下に存在する場合、これをリネームするか削除するかすると良い感じになる事がある。GTK+ - ArchWikiによれば、これらのファイルはGTK+アプリで外観周りの設定を記述するための設定ファイルであるようだ。
参考
*3:こういうのがAURにもある:AUR (en) - uim-qt5
*4:qToxの問題かと思ったけれど、fcitxでもvi-cooperative modeもどき | とさいぬの隠し部屋によればQt5のアプリであればqToxに関わらず全部死ぬようだ
コマンドの終了をYoで知らせるシェルスクリプト書いた
2014-09-27 追記
デスクトップ環境の機能を利用してYoしたことを通知する機能をつけた。Xが起動してない場合は標準出力へ通知内容と同様の文言を表示する。変更点は一目瞭然なので注釈は省略。つかうアイコン画像にYoっぽい感じのものを選ぶと通知がおしゃれになって嬉しくなる。
Yo*1について
Yo、ナニコレ感すごい
— 之城坂貞太 (@ngsksdt) June 21, 2014
Yo、誰も傷付くことのない最高の意思疎通っぽい
— 之城坂貞太 (@ngsksdt) June 21, 2014
コミュニケーション、KISS原則を適当な回数繰り返して適用すると最終的にYoに落とし込まれる
— 之城坂貞太 (@ngsksdt) June 21, 2014
本題
前フリ
mozcやLinuxカーネルといった長大なプログラムのコンパイルをルーチンワークとしている人々にとって、それらをコンパイルしている間に何をすべきかというのが問題になることが多いと思う。
長大なプログラムのコンパイル時にはコンピュータのリソースがコンパイルに持っていかれてしまってパフォーマンスが急激に低下するためにコンピュータを使う作業が捗らなくなる。非コンピュータな作業をすれば解決するのだけど、コンパイルがいつ終わるのか気になってどうしようもなくなってしまう私のようなせっかちな人間は、コンパイルが終わるまで標準出力とかに吐き出される進捗をずっと見続けてしまい、結果時間を浪費することになってしまう。
ところで、Yoはただ単純にYoと飛ばし飛ばされるだけの単純明快なコミュニケーションツールである。コミュニケーション上ではYo以外の冗長な情報は必要とされない。となれば、前述したコンパイルやあるいはその他のコンピュータ上で行われる長大な作業の終了を通知するのに、Yoは最適なツールなのではなかろうか。かつてはメールで通知されたものはYoという現代的なツールに置き換わるのだ。
本題
Yo API*2を使用して、コマンドの終了を所望のYoユーザへYoして知らせるシェルスクリプトを書いた。
使用するのに必要なものは以下の通り。
- Yoのアカウント(通知を受ける)
- YoのAPIトークン(Yoするのに必要。http://yoapi.justyo.co/ から取得できる)
APIトークンの取得方法はブログにYoボタンを設置した | SOTAをみるとよい。APIトークンを取得したら、上述したスクリプト内の'<YOUR_API_TOKEN>'を取得したAPIトークンで、'<DESIRED_USERNAME>'をYoしたいユーザ名で書き換えればよい。これで、API登録時に指定したYoユーザから、DESIRED_USERNAMEを置き換えたYoユーザへYoが飛んでくる。